「かたい金属から やわらかい布へ」
センターの新年会の近況で自分の近況について話をし、
マネージャーに ”素材” についてこんなふうに表現されたとき、
自分でもようやっと
「何か」
が吹っ切れた気がしました。
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盛岡に移り今年で10年目。
それまで
短大で金属を専攻し、鋳造をやってきた私は、隣の県にいたときは、
グループ展、二人展、クラフト展出品などを勢力的にやってきました。
旦那と結婚することを決めて、盛岡に移り住むことを決めてからも、自分では
まだ「鋳造」で表現したい。
鋳造での「かたちの表現」というものしか頭になく、あれこれと思考錯誤してきました。
旦那氏の職場である工場でも、惣型技法をさせてもらいました。
私は”鋳造という技法で出来た金属”に魅力を感じていて、それをもとに作品を創っていたんだと思います。
しかし・・・
現実は厳しく、工場は私がいれるような場所ではなく、常に生産を意識した場所でした。
そして、そこには
選ばれた人間しか入ることがままならない神聖な処でした。
いや・・・そう感じてしまった、といったほうがいいかもしれませんね。
自分のものづくりが続けられず、
悩んでもがいて、辛かった。
もうすべてを捨てて(笑)普通に就職しちゃおうとも思いましたが、できませんでした。
つくることから逃れられなかった。
金属には彫金や鍛金があるけど、私は他の技法に移行して金属で作品を作ろうと思えなかったんです。
旦那が仕上げてくる鉄器には素晴らしい魅力がありました。
特に鋳鉄という素材は青銅や白銅、黄銅にはない力強さが迫ってくるのです。
その度に、自分は一体、何をしたいのか?わからなくてずっと苦しみました。
そこに登場したのが、ミシンだったのです。
子供を産んでからきてくれたこの魔法の機械!何でも縫える!凄い!
そこから私の新しい製作が始まりました。
気軽になんでも作れる、作ることが出来る。
先にミシンを使って子供服を作っていた友人もいて、布でのものづくりの楽しさを感じました。
今までずっと
何かを諦めてきたけど、これならできる。
そう思いました。
昨年、大変なことが立て続き、「自分らしく生きる」ということを多々問われました。
思い切りやってみよう。
布で。
布を素材にして。
ブログのタイトルにもある
The one created with cloth
というのは「布でのものづくり」という意味です。
滞っていた自分のものづくりテーマである[家]、[住む]から今度は実際、ものをいれるバッグを作ることに決めました。
一人一人の使い勝手が違ういれものなので、一人にあったバック製作を。
一人の人と自分のためによりいいものをつくろう。
それが今の私のものづくりの原点です。
スタートに立ち、新たな一歩を踏み出せました!
自分に関わるすべての人へありがとう。感謝です。
"かたい金属からやわらかい布へ"
鋳金時代に培ったすべては私の今や今後に無駄なことではないでしょう。
その他にも、試行錯誤中にパソコン等資格もたくさん取得しました!
アクセスまで持ってますけどw
だけど、勝負はここから!いいものを生み出すべく頑張ります^^